魚沼市を流れる、魚野川の左岸に位置する「藤権現」。
230mほどの山ですが、山頂からは魚沼市が一望できます。
この山には、悲しい伝説が伝わっています──。
その昔、「お藤」という美しい娘がおりました。
お藤の評判を耳にした殿様が、お藤に城にあがるように申し出たのですが、
お藤には許嫁がいたため、殿様の申し出を断りました。
これに激怒した殿様は、お藤を藤権現の木に逆さ刷りにしたうえ、斬首したのです。
お藤が殺された後、権現堂では今まで咲いたことがない藤の花が……それも逆さに咲きました。
お藤を斬首した殿様は、湯治に出掛けた際、家臣の謀反に遭いあっけなく殺されたのでした。
「逆さ藤」の伝説って、けっこうあちこちにありますよね。
藤が逆さに咲くって、上を向くということなのかしら……?
藤権現の山頂は綺麗に整備されていて、祠や鐘があります。
イラストは、藤権現の秋の実です。