2017年5月4日木曜日

佐渡島のイラスト 千畳敷ワカメ採り




今日のイラストは、トヨジイの佐渡紀行スケッチブックより、千畳敷のワカメ採りのワンシーンです。

イラストの日付が「83」となっているので、昭和58年の旅行記ですね。

佐渡の千畳敷は佐渡の外海府にあります。
 相川町市街地の北端、下相川の海岸にある岩礁で、畳千畳ほどの広さを持つ、平らな形の岩場が続くことから、千畳敷と呼ばれています。

千畳敷を見るための橋が2本、観月橋(第一・第二)がかかっています。
橋の上から見る、月が美しいのでしょうね。

とき選書出版の書籍「佐渡を歩いて イギリス人のひとり旅」アンガス・ウェイコット著に、ワカメ採りがどんなものか、様子が見えてくる文章を見つけたので、引用させていただきたいと思います。

ただし、文章で描かれている場所は、千畳敷ではなく、もうすこし北の平根崎のようです。

誰かが歌う声が聞こえたので、私は道路から脇にそれて大きな岩陰の狭い砂れきの浜に下りてみた。

黒っぽいズボンに紺のシャツ、袖なしのウールの上着を着た小柄なおばあさんが、ゆっくりとした動作で、磯で海藻を集めていた。

左手には、キラキラ陽に輝く長い褐色のリボンのようなものをひと束抱えており、右手には短い鎌を固定した長い竹竿を持っている。

彼女はあちらこちらと海水にバシャバシャ分け入り、竿を伸ばしては海底の藻を刈り取り、すでに取り集めた束に加える。

仕事をしながら彼女は、奇妙な節のない唄、それも同じ節まわしを繰り返し口ずさむ。
 佐渡に伝わる古い仕事唄の一つだ。

 本に描かれた、おばあさんは長岡の生まれで、少女の頃に家族と別れて佐渡に来たそうです。

家を出るとき、家族がみな戸口に並んで見送ってくれたときのことが、今も目に浮かぶ、母と妹たちは、またいつ会えるかと泣いていたという。

著者とおばあさんの会話はしばらく続き、佐渡と長岡の積雪量の違いなどを語り合っています。

おばあさんの写真も本に乗っているので、よかったら読んでみてください。
イギリス人である著者の優しい情感たっぷりの視点で佐渡を巡る旅が描かれています。